狂愛・ヤンデレ

『憧れの名坂さんが思ってたのと違うんですけど…』感想|理想の彼氏、開けたらバケモノでした

yoicomi

恋愛って、本来は「この人いいな」から始まるはずなのに、たまに「この人やばいな(でも好き)」というルートに突入することがある。

しかもそのバグ、片方だけじゃなくて両方同時発動するパターン、あるんだよ。世界、意外とバランス取れてる。

優しくて理想の彼氏に見えた相手の裏の顔がじわじわ露わになるTL漫画です。
甘さの裏に不穏と執着が混ざり、最後にはただのヤンデレものではない面白さが残る一作。

物腰やわらか男子、信用しすぎるとだいたい痛い目見る

こんな人にオススメ!
  • ヤンデレものが主食というか水
  • 優男の化けの皮がはがれる瞬間に興奮する人
  • 執着・偏愛・重すぎる愛に弱い人
  • 甘さだけじゃなく、不穏さも欲しい人

✖逆に地雷かもしれない人

逆に、こんな人にはあまりおすすめしない

  • 健全で安心な恋愛が読みたい人
  • 監視・執着系が苦手な人
  • 狂気的な愛に疲れる人
  • 王道TLを求めている人(※これは別ジャンルです)

※本記事には成人向けの内容が含まれております。

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『憧れの名坂さんが思ってたのと違うんですけど…』作品概要

  • サークル/作者:THE猥談(ゐとこ/保田飯飯)
  • 発売日:2026年03月19日
  • 作品形式:本文83P+あとがき
  • ジャンル:オフィスラブ / ヤンデレ / 執着愛 / 束縛 / 言葉責め
  • 特徴:優しい彼氏の皮を被った執着モンスター

『憧れの名坂さんが思ってたのと違うんですけど…』は、THE猥談によるTL系同人漫画で、作画はゐとこ氏が担当しています。
恋愛ものらしい甘さを土台にしつつ、そこへ執着、偏愛、そして「その感情、ちょっと重力強すぎない?」みたいな危うさを混ぜ込んだ一作。

やさしげで整った表情の裏にある狂気と、恋愛のときめきが妙なバランスで同居していて、「怖いのに読む手が止まらない」という、なかなか厄介な読後感を残してくる作品。
要するに、情緒が静かに拉致されるタイプの漫画です。

あらすじ

長いあいだ想いを寄せていた相手と恋人同士になれたヒロインは、念願だった二人きりの時間を迎える。ここまでは少女漫画なら拍手喝采の流れなんだけど、問題はその先だ。

彼は初めて来たはずの部屋で、妙に落ち着いている。
勝手知ったる様子がところどころ見えて、

「あれ、なんでそれ知ってるの?」

という小さな違和感が積み上がっていく。

そして、その違和感が限界に達した瞬間、恋人の穏やかな仮面の下に隠れていた本性が顔を出す。

登場人物紹介

名坂さん

主人公がずっと憧れていた年上の男性。
表向きはやわらかくて親切、落ち着いた雰囲気のある理想的な相手に見える。
けれど実際は、相手への想いが常識の範囲を軽やかに飛び越えているタイプで、愛情表現がかなり重い。

穏やかな顔のまま距離感が壊れているので、怖いのに妙に魅力的という厄介な存在。

三宅亜沙美(24)

名坂さんに想いを寄せ続け、ようやく恋人になれた女性。
最初はごく普通の恋する側として描かれるけれど、話が進むにつれて彼女自身の内面にもただならない部分が見えてくる。

受け身に見えて、実はこの関係においてかなり重要な『もう片方の狂気』を担っている人物。

見どころ

優しさの皮を被った重すぎる愛

名坂さん、第一印象は「理想の年上彼氏」なのに、中身を開けたら愛情の重量がバグってる。そして怖いのは、怒鳴ったり暴力的なわけじゃない。終始やさしい顔で距離感だけ崩壊してるの、ホラーの文法なんだよ。

「好き」が純度100%すぎて、逆に毒になるタイプの愛情ってあるよね?それを丁寧に描いてくるから、「無理無理怖い」って思いながらも「あーちょっとわかる…」ってなるのが本当に怖い。
人間、極端な愛に弱すぎる。

ただのヤンデレで終わらない関係性のひっくり返り

普通こういう話って、「ヤバい男から逃げるかヤられるか」で終わるでしょ。でもこの作品、そこからもう一段ひねってくる。

「あれ、この子…」って気づいた瞬間、物語の見え方がガラッと変わる。

被害者と加害者の構図が、いつの間にか変わっていくあの感覚ね。事故だと思ってたら合流だった、みたいな。

恋愛における“釣り合い”って、優しさやスペックだけじゃなくて、「歪みの形」でも成立するんだね

歪みもまた美である

怖さとエロさと笑いが同時に来る

シーン単体で見ると甘いし濃厚なんだけど、その裏にある感情が重すぎて、脳が処理に困る。「今オイシイの?それとも引くべき?」ってなるやつ。

しかも時々ちょっと笑えるんだよね!
必死さとかズレ方が妙にリアルで、「いやそこまでやる!?」ってツッコミたくなる。怖い・エロい・面白いが同時に来る作品って、そうそうない。

感想|優男の仮面、その下はやっぱり

この作品を読んでまず思うのは、「恋愛ってだいたい軽犯罪から始まってない?」という疑念。
いや通報しろという話ではない。ただ、人を好きになるって時点で、すでに相手の生活圏に無断で侵入しているようなものだ。心の話ね。

名坂さんは、優しい。穏やか。理想的。履歴書に書いたら即採用されるタイプの人格だ。

でもその裏でやってることは、履歴書どころか職務質問コースである。
このギャップ、普通は「怖い」で終わるはずなのに、「まあでも好きなら…いやダメだろ…でも…」と脳内会議が開かれる。議長が不在のまま可決されるやつ。

でもさ、好きな人のシフトとかOJTとか毎日チェックするよね!!

OJT把握してる時点で、だいぶ業務外活動やで

愛は観察から始まり、執着で完成する

良心が途中でログアウトする

で、さらに厄介なのが主人公側。普通こういう話、ヒロインは読者の良心の代理人として配置されるものでしょ。「これおかしい」「逃げなきゃ」って言う係。

でもこの作品、そのポジションが途中でログアウトする。気づいたら「そっちかーーーい!!」ってなる。良心がバックレる恋愛漫画、なかなかない。

結果どうなるかというと、常識という観客席がごっそり空席になる。

誰も止めないし、誰もツッコまない。いや読者はツッコんでるんだけど、ツッコミが全部空中分解する。「おかしいだろ!」→「でも本人たち幸せそうだな…」→「じゃあいいか…?」という、倫理の敗北三段活用。

恋愛とはどこまで侵入を許せるか

たぶん恋愛って「どこまで侵入を許せるかの合意」なんだと思うんだよね。
距離感とか尊重とか言うけど、それ全部「どのラインまで踏み込んでOKか」の交渉でしかない。

こういう作品読むと毎回思うんだけど、「重い愛がいい」って言う人、多いやん?あれ、たぶん自分に都合のいい重さしか想定してないよね。
本当に重い愛って、家具みたいに生活に居座るから。気づいたらそこにあるし、勝手に配置変わってるし、たまに足の小指ぶつけるやつな。

で、この二人はどうかというと、その家具を「邪魔だな」じゃなくて「なんか落ち着くな…」って受け入れちゃうところなんよ。
しかもお互いに同じタイプの家具を持ち寄ってるから、部屋がカオスなのに妙に統一感ある。インテリアとして成立してる狂気、初めて見た。

そりゃ外から見たら事故だよ。でも当人たちからしたら、ただの通常運転なんよね。こっわ。

“重い愛”の本当の重さ

下世話な話をすると、愛情って結局「どれだけ相手の人生に粘着できるか選手権」みたいなところあるやん?
ライトに触れるか、べったり貼り付くか。その極端な例を見せられて、「いやーそこまでは…」と思いながらも、どこかで羨ましさがチラつくのがまた人間の業なんだよな。認めたくないけど。

最終的に何が残るかというと、「正しい恋愛とは何か」みたいな問いじゃない。「自分はどこまで許せるか」という、めちゃくちゃ個人的で、誰にも答えを委ねられない問題だけが残る。急に人生の選択問題ぶっこんでくるの、やめてほしい。語るから。

まあでも安心してほしい。この作品を読んで出る結論は一つだ。

「ここまでじゃなくていい」

それだけは、満場一致で可決される。たぶん。いや可決されてくれ。

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というか、ここで違法に行くのは「事故ってる恋愛」に自分から突っ込むムーブだからやめとこ。

「気になってる」時点でもう半分読んでるようなもんだから、あとは安全なルートで回収するだけです。

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まとめ

結局のところ、『憧れの名坂さんが思ってたのと違うんですけど…』は、“優しい彼氏”という包装紙を開けたら中身がだいぶ危なかったタイプの作品です。

でも、その危なさがただ怖いだけで終わらず、妙に噛み合った関係として成立していくのが面白いところ。
甘さだけじゃ物足りない、でも地獄すぎるのも困る、そんなわがままなオタク心にちょうどいい一冊でした。

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